春日山原始林を未来へつなぐ会

研修会

【参加者募集】5/22(日)春日山原始林ウォーク『野鳥の声をききながら歩こう』

新型コロナの影響により、会員限定で開催していました「春日山原始林ウォークですが、これまで通り、一般の方の参加もできるようにいたします。

春日山原始林ウォークとは

つなぐ会の会員同士の交流と四季の春日山を皆で楽しく歩くことをテーマとしたイベントです。講師のいる観察会とは異なり、会員のメンバーで詳しい方がそれぞれに解説などをしながら歩く会です。

■2022年度 春日山原始林ウォーク「野鳥の声を聞きながら歩こう」

2022年度春の原始林ウォークは、春〜初夏の野鳥をテーマに開催します。春日山では夏鳥が訪れ美しい声が森の中に響いています。新緑の気持ちの良い森を歩き楽しみます。

開催日 2022年5月22日(土)10:00〜15:00
集 合 春日大社本殿バス停(国宝殿カフェ前)
コース 春日大社…滝坂の道…首切り地蔵…春日山遊歩道(南部)
参加費 春日山原始林を未来へつなぐ会会員:無料
    非会員:500円
持 物 飲み物、昼食、タオル、筆記用具、敷物、リュックサック
    双眼鏡(あれば)その他ハイキングで必要と思うもの
服 装 長袖・長ズボン着用(虫刺され防止)、長めの靴下(ヤマビル防止)、歩きやすい靴(スニーカー、ハイキングシューズ等)

※原始林内は火気厳禁・禁煙です。

お申し込み 下記よりお申し込みください。
https://forms.gle/XpGjRdc9hofxvUDS8


6/20 原始林ウォークを開催しました!

6/20に会員向けイベントとして春日山原始林ウォークを開催しました。

今回は、会員のみ対象として募集をかけた所、集まったのはなんと22名!
初めましての会員の方々、普段は保全活動で参加されている方々、交流の機会となりました。
参加者の経験値も異なることから、今回は、滝坂の道〜遊歩道を歩く1周コースと、初心者向きの北部遊歩道〜若草山コースの2手にわかれました。

1周コースはとにかく歩くことをメインに。保全のメンバー中心で黙々と歩きました。雨後の滝坂の道では、ヒルの洗礼が、3匹くらいついていた方もいたようです(笑)黙々と歩くとは言っても、みなさん森への関心は高いので、歩きながら、「この葉っぱは」とか「この辺りは様子がずいぶん変わった」など話しながら歩いたようです。

北部コースは、副会長のSさんが森の解説をしながらのゆったりウォーク。初めて参加される方、自然をゆっくり楽しみたい方で歩きました。木々や歴史の話、途中気がついたキノコや植物などを楽しみながら若草山山頂へ。奈良盆地を一望するパノラマを楽しみながら昼食を取り、若草山から降りました。

ガシガシ歩く1周コースと、ゆったり歩く北部コース。最終的なゴールには、なんと奇跡の同着。水谷茶屋の前に同じタイミングで降りてきました。
それぞれのコースでみなさん久しぶりに春日山を満喫して充実した1日を過ごせたようです。

コロナの影響で活動が停滞気味でしたが、距離感を保つことや消毒などに注意を払うことで実施は問題ないことも確認できました。
今後も観察会等、配慮を行いながら開催していきたいと思います。

 


春日山原始林入門講座 第3回 動物編を実施しました。

2015年03月26日

本日、春日山原始林入門講座の第3回を実施しました。
1月から月1回のペースで実施してきた入門講座も最終回です。
今回は、「動物編」として、以下の講義を行いました。

・春日山原始林のほ乳類 講師 鳥居春巳 さん(奈良教育大学 特任教授)
・春日山原始林の野鳥  講師 川瀬浩 さん(日本野鳥の会 奈良支部)

最終回ということもあり、今回は最後に参加者の方々から意見を伺うフリーディスカッションも行いました。

■春日山原始林のほ乳類
鳥居先生は、長年春日山原始林のシカを研究されており、奈良県の「奈良のシカ保護管理計画検討委員会」の委員も努めていらっしゃいます。そのため、冒頭は奈良公園のシカ、及び春日山のシカの話を中心にお話しいただきました。

基本的なこととして、奈良公園の平坦部と春日山にいるシカは「別の生き物」と考えた方が良いというくらい、違っているそうです。人間に慣れている平坦部のシカと、人になれていない春日山のシカとは、修正も大きく違うということでした。

また、原始林内のシカについては、周遊道を時速10キロ位で走りながらライトを照らし、反射したものを数える「ライトセンサス」という方法と、決められたエリアを横並びに一斉に歩きながら調査する区画法の二つを行い、そこから想定して概ね90頭程度が生息しているのではないかとのことでした。

この頭数が多いか少ないかという点については、環境省が提示したシカの適正頭数というのがあり、それで考えると原始林を約300ヘクタールと考えると2頭程度ということで、原始林内も奈良公園の平坦部同様にシカが相当増加しているということでした。

それでは、シカ以外にどのような生き物が生息しているのか。
モグラやコウモリ、サル、ウサギ、リス、ネズミ、イタチ、タヌキ、アナグマ、イノシシ、などの他、外来種とされるハクビシンやアライグマ、ヌートリアなども観測されているということでした。
ただし、これまでに観測されているものなので、現在は絶滅しているものもいるのではないかということでした。
その理由として、原始林の乾燥化により、これらの動物たちの生息する環境が少なくなってしまっている。ということです。

県が設置している植生保護柵などを作ることで、下層植生が少しでも回復していくことで、ほ乳類の生息環境が整えば戻ってくるのではないかというお話もいただきました。

鳥居先生のお話は、少し過激な発言とユーモアが入り交じりとても興味深く伺うことができました。

■春日山原始林の野鳥
最後に、野鳥の側面からすると原始林の今の状態は絶望的である。ということでした。けれど、何もしないわけにはいかない。少しでも良いから、原始林の生態系を豊かなものへ戻していくことをすることが大切なのではないかということでした。

■参加者の方々とのフリーディスカッション
最後に、会場の方々と今後のつなぐ会の活動について期待することや「こんな事をやりたい!」と行った意見交換の場を持ちました。はじめは遠慮がちでしたが、様々意見をいただき、また、講師の鳥居先生も色々な情報やご意見をいただく事ができ、充実した内容となりました。
次年度以降、具体的な活動に向けて準備を進めているところですが、原始林の未来を皆さんでどのように描いていくか、それは、「つなぐ会」だけでなく、様々な関係者の方々と手を取り合いながら進めることが必要だと感じました。

(文責 事務局 杉山拓次)