春日山原始林を未来へつなぐ会

観察会

【レポート】3/24 春日山原始林ではるをさがそう!

あいにくの雨のなか、奈良市主催の観察会「春日山原始林ではるをさがそう」を実施しました。
雨具を着てのプログラムではありましたが、雨の日ならではの自然との出会いもあったようです。

ルーペを使って観察
観察に使いやすい大きめのルーペを子どもたちに貸し出しました。咲いている花や、苔、自分の手など気になるものをどんどん観察する子どもたち。ルーペに溜まった水を見るなど愉しみました。

数日前から冷え込んでしまったため、なかなか「はる」が見つけにくい春日山でした。それでもポッと咲いているスミレを見つけたり、ネイチャービンゴで出したお題を全て見つけた子どもたちでした。寒い中でしたが、春日山のこれからの季節にお馴染みのヤマビルも登場。普段なかなか見ることもないので、ルーペを使って観察してみました。

春日山原始林の抱えている問題についても少し触れながらのプログラムでしたが、その点についても関心をもって参加してくれていました。

葉っぱを使った遊びとふりかえり
観察後は休憩所で、葉っぱを使った遊びと、振り返りを行いました。葉っぱの特徴をよくみて、子どもたち同士で意見交換しながらプログラムを進めましたが、それぞれの意見を出しつつ交流する様子が印象的でした。


【参加者募集】春日山原始林ではるをさがそう!

春日山原始林ではるをさがそう!


春日山原始林でいきものたちが動き出す「はる」を探します。 みんなでたくさんの「はる」をみつけて森を楽しもうと思います。
ルーペでかんさつしたり、ねころんだり、においを嗅いだり。
季節をじっくり感じて楽しみましょう。
親子で一緒にご参加ください。

<奈良市主催事業>

原始林の木々たちも葉っぱの赤ちゃんが生まれます。

これはなんだろう?葉っぱ?お花?

キッラキラの昆虫も目覚めているかもしれません。

森でごろんとねころんで。空を眺めてみよう。何が見えるかな?

*春日山原始林は保護区のため採取禁止となります。虫取り網等の持参は控えてください。

実施日 3月24日(日)9:30〜12:30頃 ※小雨決行
集 合 春日大社本殿バス停(春日大社国宝殿カフェ前)
解 散 水谷神社周辺
対 象 小学生とその保護者
参加費 無料
定 員 30名
締 切 3月11日(月)※定員に達した場合は抽選
主催:奈良市
企画・運営:春日山原始林を未来へつなぐ会

お申込み 以下フォームからお申し込みください。
https://forms.gle/MXgcd85xLqiM9RUW6

※本プログラムは、奈良市からの委託を受けて春日山原始林を未来へつなぐ会が企画・運営を行うものです。
※収集する個人情報については適切に管理し、本業務以外に使用いたしません。


【レポート】第43回 世界遺産春日山原始林観察会 春日山の石仏

今年は、バッチリ焼けた若草山山焼きの翌日、第43回目となる観察会を開催しました。
今回のテーマは「石仏」春日山原始林の南端に位置する「滝坂の道(旧柳生街道)」沿いには
いくつもの磨崖仏が残っています。
今回は、この磨崖仏や石塔などを研究されている大阪大谷大学の狭川先生をお迎えして石仏めぐりを行いました。

■開催概要
第43回世界遺産春日山原始林観察会「春日山の石仏」
開催日 2024年1月28日(日)9:00〜12:00(予定より早く終了)
場 所 春日山原始林・滝坂の道、地獄谷国有林(地獄谷石窟仏)
参加者 27名(スタッフ含む)
講 師 狭川真一先生(大阪大谷大学)

寒い時期にも関わらず、一般の方、つなぐ会会員合わせて定員間近までお申し込みをいただきました。
ポイントポイントで非常にわかりやすく、石仏群が作られた経緯や、どのような考えだったかの考察を交えながらのお話は非常に学びの多い時間となりました。

東大寺・興福寺、そして春日大社など春日山に関わる当時の信仰やその変遷などについても学び、禁伐以前の春日山もやはり社寺との関係や奈良の街との関係が深かったことを意識させられました。

また、久しぶりに滝坂の道を歩かれた狭川先生は、滝坂の道沿いの特に石仏がある岩場の木々がとても少なくなっていることに驚きと、崩落への危機感をお話しいただきました。また、これまで木々に隠れて
見えなかった新たな石仏や遺構が見つかるかもしれないともお話しされていました。
(※原始林内は許可のない立入が禁止されています。歩道外、特に石仏近くは崩落の可能性もあり非常に危険な状態ですので絶対に立ち入らないようにしてください)

これまでもガイドの機会などで紹介してきた石仏群が、あらためて貴重なものであることを再確認する機会となりました。人々の信仰や浄土への願いなど様々な想いが込められた場所である春日山。
現代の私たちにとってもかけがえのない大切な森として、今後も微力ではありますが、保全の取り組みを進めていく必要性を感じました。
(すぎやま)


滝坂の道沿いに設置された唯一の植生保護柵について説明。


石仏が見えるポイントでわかりやすい狭川先生の解説をいただけました。


これまで、なかなか見つけられなかった「石像岩四仏」やっと場所がわかりました

「朝日観音」弥勒仏がなぜ掘られているのかも今回解説の中で理解することができました。

朝日観音を開設いただいている様子。