まだまだ暖かい日が続く10月末に奈良公園にて奈良公園のシカをテーマに観察会を実施しました。
講師は、奈良教育大学自然環境教育センターの辻野先生にお越しいただきました。
集合場所の飛火野は、奈良のシカと触れ合うスポットとして多くの観光客の方がいらっしゃいました。集合後、御蓋山遥拝のポイントまで移動して、春日山、御蓋山、若草山、高円山の森について簡単な解説と、シカという動物についての解説を頭骨の実物標本なども用いながら解説をいただきました。
その後、シカの身体のつくりなどについて観察しながら学びます。また、イラクサなど植物の側の対応がどのようなものか、奈良公園に点在するイチイガシの巨樹なども合わせて観察しました。
最後に奈良公園・浮雲園地・春日野園地周辺でシカの繁殖行動を観察。秋のオスの鳴き声を聞いたり、オス同士の対決なども見ることができました。
最後のまとめとして、「シカとの共生」というキーワードについて、共生には、6つのタイプがあるという話が印象的でした。私たちの思い描く「相利共生=お互いが利益のある状態」だけでなく、その関係も視点や状況によって変化することをかんがえると、現在のシカと原始林の関係はどのような共生になるのか、相利共生を理想としつつ、状況に応じて共生の形を変えていくことで、春日山原始林を未来へつなぐことができるのではないかと考えさせられました。(文責:すぎやま)