春日山原始林内には、奈良県によって、36ヶ所の「植生保護柵」が設けられています。原始林内で深刻化している、下層植生の衰退や、後継樹の確保にむけて、モニタリングを行い、今後の原始林の保全のあり方を検討する材料にするためです。つなぐ会では、今年度この36カ所について巡視をすることになり、原始林内を歩き、設置された保護柵の破損などを点検するほか、周辺に堆積した枯れ枝等を除去する整備作業を行っています。
1月31日(水) 保全ワーキンググループで原始林内の保護柵の点検作業を行いました。
この日の参加者は25名。原始林内は危険も伴うためヘルメットを着用します。グループを4つに分けて原始林内の保護作を点検します。
登っていくのは急斜面。登山道ではないので場所によっては非常に急峻な箇所も。ほとんどの方がスパイク付きの地下足袋等を履いて歩きます。
植生保護柵は斜面に設置されている箇所も多いため、堆積物が溜まってしまいます。これを除去して、柵の破損を点検します。
柵の周辺や林内を歩くと、動物たちの痕跡がいくつも見られました。
シカによる角とぎのあと。
動物の糞(タヌキ?)
ムササビの食痕
イノシシのヌタ場
また、林内の小さな沢では凍っている箇所もありました。
今回の点検では、大きな破損は見当たりませんでした。
このような地道かな活動を通じて、原始林の保全活動に取り組んでいます。