春日山原始林を未来へつなぐ会

事務局日誌

【レポート】10/31 「耳をひらき 音で遊ぶ 音さんぽ 奈良・春日山原始林」

2020年11月29日

春日山原始林アートプロジェクト2020
フィールドワーク
「耳をひらき 音で遊ぶ 音さんぽ 奈良・春日山原始林」

春日山原始林・滝坂の道にあった首切り地蔵大杉から始まるアートプロジェクト。作品展に向けてのフィールドワークとして、音で自然を楽しむ「音さんぽ」を実施しました。

講師は、奈良市東部の田原地区に住む音風景研究家の岩田茉莉江さん。実は、2015年、春日山原始林を未来へつなぐ会立ち上げ当時、スタッフとしても関わっていた仲間です。つなぐ会としてトライした「神山をきく 春日山原始林さんぽ」は、その後、岩田さんと事務局スギヤマのプロジェクトとして継続して実施しています。  

おとたまりウェブサイト           

秋の森にどっぷりつかる

実施当日の10/31は快晴!当初予定していた日程は雨天のため順延したのが吉と出ました。参加は4組9名の親子。一部スタッフの家族も参加させていただきました。

集合して簡単な挨拶をしたらすぐに森へ移動。滝坂の道へと向かいました。滝坂の道の入り口の広場で、自己紹介。キーワードは「音」なので、目をつぶって自己紹介。
低学年のお子さんも多かったのでみんなちょっと緊張気味。。。
でも、その後の「おとおとし」では、大盛り上がり。

緊張もほぐれてきたところで、滝坂の道を出発です。道の途中でも、「めかくしウォーク」で周りの音や足の裏の感覚に注目したり、苔むした切り株を観察したり、五感を活かして楽しみます。

音を描く「音絵」では、最初に自分が感じた絵を描き、それを別の人と交換。それぞれの感覚で描くみんなで描いた素敵な「音風景」が出来上がりました。
目的地である首切り地蔵休憩所に到着した時にはお腹はペコペコ。広げたシートでみんなでお弁当を食べて、ゴロゴロ寝転び一休み。
このアートプロジェクトの発端となった「首切り地蔵の大杉」のお話と、その大きさをメジャーを使ってみんなで体感した後に、いよいよ森の演奏会の準備です。

岩田さんが持ってきてくれたのは、様々な楽器。みんなでその音色を楽しんだあと、みんながお気に入りの音がするものを決めてみんなで演奏することに。
お気に入りは、用意した楽器だけでなく、周辺のあらゆるものから選びます。石のゴロゴロ、倒木を叩く音、枯れ枝で地面を擦る音など、それぞれがたっぷり時間を使って森の音を探しました。


何度かそれぞれが音を出してセッションしたのち、岩田さんの合図に合わせて演奏会。森の中でその時、その瞬間しか奏でることのできない唯一無二の響きが生まれました。他のハイカーの人たちも不思議そうにみていたけど、みんな森に響く音を楽しんでくれていたようです。
大杉があったこの場所の不思議な空気を感じることができました。

演奏が終わった後は、元来た道を帰ります。
帰り道でも「まだ遊びたい!」と子どもたち。大人と子どもに分けれての「音列車」や広場での「おとれんぼ」など耳と体をたっぷり使う1日を過ごすことができました。
参加された皆さんの心に、春日山での素敵な思い出ができたのではないかと思いました。
演奏した音源はCDにして参加者の皆さんへ送付させていただくことにしています。
また、当日撮影した映像をまとめて、音と共に、アートプロジェクトの展示会でも流す予定です。楽しみにしていただければと思います。

春日山原始林アートプロジェクト2020


※この事業は、花王・みんなの森づくり活動の助成を受けて実施しています。