春日山原始林を未来へつなぐ会

事務局日誌

春日山原始林入門講座 第1回を開催しました。

2015年02月05日

1月29日(木)に会員向けに「春日山原始林入門講座」を開催しました。
この講座は、今後、「春日山原始林を未来へつなぐ会」が原始林の保全活動に取り組んでいくにあたって、原始林の歴史と現状について、理解することが重要であると考え実施するものです。

講座は、1月から3月まで月1回の全3回で実施することになっており、今回はその初回でした。

内容は以下の通りでした。
1.記念講演 「春日山原始林への思いを語る」 小船武司(元奈良の鹿愛護会事務局長)
2.春日山原始林の保全再生 奈良県まちづくり推進局奈良公園室
 (1).奈良公園の現状と春日山原始林保全再生の取組み
 (2).春日山原始林の歴史と位置付け
 (3).春日山原始林保全再生の進捗状況

会場の奈良学セミナーハウス研修室は、会員の方々で満席となりました。
あらためて、意識の高さを感じる機会となりました。


講演は、はじめに元奈良の鹿愛護会事務局長の小船武司先生でした。
小船先生は、元々春日大社に勤務された後、県庁の鳥獣保護関連の部署に勤務され、その後、奈良の鹿愛護会の事務局長に就任されるなど、春日山原始林との深い関わりをもっていらっしゃいます。
その経験から、現在原始林へ樹勢を拡大しているナギの問題やナンキンハゼの問題、また、原始林内への鹿が入ってきたことと、狼や野犬との関わりについてお話しされました。

いずれもご自身の経験に基づくお話で非常に興味深かったのですが、特に印象に残ったのは、歴史の中で何度かダメージを受けてきた原始林ではあるけれど1000年にわたって、維持されてきた森林が、この20年で急激に変化してきているということです。
「つなぐ会」は市民のボランティアが中心となって活動を展開する団体ですが、微力ながら私達の取り組みによって、原始林を未来へつなぐための一助になればと感じました。

次に、奈良県まちづくり推進局奈良公園室からの講演でした。
 (1).奈良公園の現状と春日山原始林保全再生の取組み
 (2).春日山原始林の歴史と位置付け
 (3).春日山原始林保全再生の進捗状況


3つにわけて、解説いただき、つなぐ会の立ち上げにかかわる部分の他、春日山原始林を奈良県が管理するに当たっての経緯や原始林の範囲など、基本的な部分を確認することができたほか、現在、奈良県として原始林の保全にどのような対応をしているのかを具体的に伺うことができました。
「つなぐ会」の活動は、県との協力関係がなければ実現されません。
県の原始林に対する保全活動を「つなぐ会」としてサポートするとともに原始林を未来へつないでいくために必要な対策を共に考え取り組んでいくべきだと考えています。

平日の午後にもかかわらず、会場は満席。長時間にもかかわらず、集中力の高い講座となりました。
今後も2月、3月と会員同士で学び、今後の保全活動、そして原始林をもっと知っていただく「普及啓発」にも力を入れていきたいと考えています。