春日山原始林を未来へつなぐ会

事務局日誌

春日山原始林入門講座 第2回を実施しました。

2/26(木) 春日山原始林入門講座の第2回を実施しました。

今回は、春日山原始林の巨樹についてと、原始林の森林生態系について学ぶ機会となりました。
冒頭は、本会副会長でもあり、グリーンあすならの甲斐野さんより原始林の巨樹についての講義です。
当初の予定では、外へ出ての観察と言うことでしたが、この日は生憎の雨。
室内でじっくり学ぶ機会となりました。

講義では、原始林内の巨樹について、グリーンあすならで過去に調査した結果などを元に、どのような巨樹が存在しているかについて知ると共に、巨樹の定義などについて学びました。また、原始林全体の地図を示しながら、今後のつなぐ会で実施していく保全活動について、どのようなことを実際にやっていくかなどについても解説がありました。
講義は、一方的なものではなく、実際の木材標本を持ってきて木に触れる体験を入れるほか、随時会場からの質問に答えながらの講義で参加者の理解も深まる講義となっていたようです。 後半は、大阪産業大学の前迫ゆり教授から「春日山原始林の森林生態系とシカとの共生」をテーマに講義をいただきました。こちらは、原始林の森林生態系の基本的な樹木構成などについて学んだほか、現在大きな影響を与えているシカとの関係について学びました。 今後の活動についての具体的なイメージと、現状について把握する良い機会となりました。

春日山原始林入門講座 第1回を開催しました。

2015年02月05日

1月29日(木)に会員向けに「春日山原始林入門講座」を開催しました。
この講座は、今後、「春日山原始林を未来へつなぐ会」が原始林の保全活動に取り組んでいくにあたって、原始林の歴史と現状について、理解することが重要であると考え実施するものです。

講座は、1月から3月まで月1回の全3回で実施することになっており、今回はその初回でした。

内容は以下の通りでした。
1.記念講演 「春日山原始林への思いを語る」 小船武司(元奈良の鹿愛護会事務局長)
2.春日山原始林の保全再生 奈良県まちづくり推進局奈良公園室
 (1).奈良公園の現状と春日山原始林保全再生の取組み
 (2).春日山原始林の歴史と位置付け
 (3).春日山原始林保全再生の進捗状況

会場の奈良学セミナーハウス研修室は、会員の方々で満席となりました。
あらためて、意識の高さを感じる機会となりました。


講演は、はじめに元奈良の鹿愛護会事務局長の小船武司先生でした。
小船先生は、元々春日大社に勤務された後、県庁の鳥獣保護関連の部署に勤務され、その後、奈良の鹿愛護会の事務局長に就任されるなど、春日山原始林との深い関わりをもっていらっしゃいます。
その経験から、現在原始林へ樹勢を拡大しているナギの問題やナンキンハゼの問題、また、原始林内への鹿が入ってきたことと、狼や野犬との関わりについてお話しされました。

いずれもご自身の経験に基づくお話で非常に興味深かったのですが、特に印象に残ったのは、歴史の中で何度かダメージを受けてきた原始林ではあるけれど1000年にわたって、維持されてきた森林が、この20年で急激に変化してきているということです。
「つなぐ会」は市民のボランティアが中心となって活動を展開する団体ですが、微力ながら私達の取り組みによって、原始林を未来へつなぐための一助になればと感じました。

次に、奈良県まちづくり推進局奈良公園室からの講演でした。
 (1).奈良公園の現状と春日山原始林保全再生の取組み
 (2).春日山原始林の歴史と位置付け
 (3).春日山原始林保全再生の進捗状況


3つにわけて、解説いただき、つなぐ会の立ち上げにかかわる部分の他、春日山原始林を奈良県が管理するに当たっての経緯や原始林の範囲など、基本的な部分を確認することができたほか、現在、奈良県として原始林の保全にどのような対応をしているのかを具体的に伺うことができました。
「つなぐ会」の活動は、県との協力関係がなければ実現されません。
県の原始林に対する保全活動を「つなぐ会」としてサポートするとともに原始林を未来へつないでいくために必要な対策を共に考え取り組んでいくべきだと考えています。

平日の午後にもかかわらず、会場は満席。長時間にもかかわらず、集中力の高い講座となりました。
今後も2月、3月と会員同士で学び、今後の保全活動、そして原始林をもっと知っていただく「普及啓発」にも力を入れていきたいと考えています。

会員向け原始林観察会を実施しました!

2015年01月20日

1月14日(水)と1月17(土)の2日間、「春日山原始林を未来へつなぐ会」の会員向け原始林観察会を実施しました。
コースは、昨年11月末に実施した観察会と同様のコースでしたが、季節の違いで様々な変化を見ることができました。両日とも10名以上の会員の皆様にご参加いただき、原始林の現状について、学んでいただき、今後の「つなぐ会」の活動でどのような作業を実施していくかのイメージを持っていただく機会となりました。

生憎17日(土)は、途中雪が降ってきたため、予定したコースを歩くことはできませんでしたが、つなぐ会副会長の甲斐野さんの解説に真剣に聞き入ってくださいました。

今月末からは、会員向けの「春日山原始林入門講座」を実施するほか、実作業の方も奈良公園管理事務所と連携して進めていきたいと考えております。是非ご支援のほどよろしくお願いいたします。

遊歩道沿いのイチイガシの大木。原始林を構成する樹種の一つです。

違う種の樹木がもたれ合ってくっついているように見えます!見た目はくっついていますが、組織まではつながっていないそうです。