寒さの続く1月28日。2週連続の観察会として[鹿垣を巡る]を開催しました。[鹿垣(ししがき)]とは、野生動物による農作物被害を防ぐ目的で農地の周囲を木柵、石垣、土塀(土塁)などによって囲んだ設備のこと。この鹿垣が、江戸時代に奈良公園周辺から春日山をぐるりと取り囲むように設置されていたそうです。
今回の観察会では、バスをチャーターして、その鹿垣の遺構を見学し、先人の知恵に触れると共に、春日奥山ドライブウェイでつなぐ会の保全の活動(主にナラ枯れ対策)について知っていただく機会としました。
解説を聴きながら鹿垣を辿ると当時の人々の生活の息遣いが聞こえてくるようでした。
神鹿として、方や獣害としての『奈良のシカ』に対処した農民の生活史が深く刻まれた原始林周辺の鹿垣の存在は 歴史的・文化的に貴重であるにもかかわらず人知れず風化が進んでいることは痛ましいものです。学びの場として価値ある鹿垣の保存と活用は今後の課題と感じました。
【参加者の声】
・奈良と鹿は切っても切り離せないものであることが改めて分かった鹿を大事に守る中で、為されてきた人々の営みの工夫が、歩いてみてよく分かった。本日、知ったり学んだことを周りにも伝えていきたい。
1/24(水)。奈良は今年一番の寒さとなりましたが、この日は保全ワーキンググループの活動日。原始林内に設置された植生保護柵の見回りと、周辺の倒木等の処理作業を行っています。
また、この日は、原始林内の保護柵に設置してある温度湿度計のデータ確認も行いました。
この調査は、過去に春日山原始林での温度湿度調査のデータと比較して、どのような変化があるかを調べることで、原始林の状況を確認していこうというものです。
設置された機器にPCを接続し、データを吸い出します。
この日は、あまりの寒さに温度計を入れておくケースが凍っていました。地道な取組ですが、つなぐ会でもできることから原始林の調査を進めていければと思います。
まだまだデータを公表できるほど蓄積できていませんが、
今後、調査を進めて公表できるようになればと考えています。