春日山原始林を未来へつなぐ会

事務局日誌

【レポート】森で遊ぼう!ネイチャーゲーム体験

11月3日文化の日、秋晴れの気持ち良い日に第38回となる、春日山原始林観察会を開催しました。今回のテーマは「ネイチャーゲーム」未就学児から、小学生までを対象とした、自然の中で遊ぶプログラムです。

集合場所に設定した春日大社の駐車場。この日は七五三専用の駐車場利用となっており、着物姿のお子さんがたくさんいらっしゃっていました。

今回の参加者は、3家族で12名。未就学児から小学六年生まで、幅広い参加をいただきました。

この日はとっても良い天気。春日山遊歩道の北部エリアを使って、ネイチャーゲームにチャレンジしていただきました。
指導は、おなじみの奈良県シェアリングネイチャー協会の山本素世さん。

原始林の中は、少しひんやりしましたが、森の差し込む光や、風の流れ、木の手触り、紅葉を迎えた原始林の秋の色を探したり。Tシャツ型に切り抜いたシートを使って、Tシャツのデザインを考えるプログラムでは、この日一番小さかった3歳のお子さんも夢中で取り組んでくれました。

ご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました!

 

 


【参加者募集】11/3(祝)森で遊ぼう!ネイチャーゲーム体験

秋が深まってきましたね。

現在、春日山原始林アートプロジェクトを実施中ですが、子ども向けの観察会を開催します!諸々事情があって広報が遅れておりますが、お時間があればぜひご参加いただければと思います。

テーマはネイチャーゲームです。春日山原始林の森で遊ぶアクティビティをいくつか実施します。
森がもっと楽しくなるプログラムを実施しますのでぜひご参加ください。


第38回春日山原始林観察会「森で遊ぼう!ネイチャーゲーム体験」

秋の春日山原始林で、自然を楽しむゲームを通じて森を楽しんでみませんか?森には、木の実や葉っぱ、色々な音、不思議なかたちなど、楽しいものがたくさん。自然を楽しむ遊び「ネイチャーゲーム」を楽しみながら、森の不思議や素晴らしさを体験しましょう!

実施日 2022年11月3日(木・祝)10:00〜12:30
講 師 山本素世 氏(奈良県シェアリングネイチャー協会)
対 象 幼稚園年長(5歳)〜小学生とその保護者
定 員 20名(10組程度)
集 合 春日大社国宝殿前(カフェ鹿音前)
参加費 500円(親子1組あたり・つなぐ会会員は無料)

お申し込みはこちらから

 


【レポート】9/11 第37回春日山原始林観察会 春日山原始林のきのこ、ときどき野鳥

9/11(日)に第37回の観察会を開催しました。

今回のテーマは「春日山原始林のきのこ、ときどき野鳥」です。

講師に山田瑠美さんをお招きし、きのこについてたっぷりお話いただきました。山田さんは、日本野鳥の会奈良支部や奈良県理科の会、ベニタケ科研究会に所属されていて、きのこにも野鳥にも詳しい先生です。

 

出発前に先生にご用意いただいた資料などで、きのこの生態やつくりについて簡単なレクチャーをしていただきました。

資料には、春日山原始林で見れるカラフルなきのこやトゲトゲしたきのこ、ひょろひょろのきのこなどの写真がたくさん載っていて、観察会への期待が高まります。

 

 

今回は、参加者の皆さんと北部遊歩道沿いのきのこを探しながら、見つけたきのこを実際に採取してじっくり観察しました。(観察会中のきのこの採取は、奈良県の許可を得て行っています。)

 

歩き始めてすぐに白く大きなきのこは「マントカラカサタケ」を発見しました。

「傘を手で包むように触ってみてください」と言われ、実際にやってみるとマシュマロのようにとても柔らか。フワフワなきのこを初めて知り、とても驚きました。

ようやく北部遊歩道に到着。落ち葉の上、木々の間、苔の上と目線を移しながら、まるで宝探しのように皆できのこを探します。

 

遊歩道を歩くうちに、参加者のみなさんも段々と目が慣れてきて「ここにありますよ!」とか「これはきのこですか?」といった会話が増えていきました。

春日山原始林でよく見かける「ナギナタタケ」ですが、今回の観察会では「ベニナギナタタケ」と「ナギナタタケ」の両方を見ることができました。また、春日山原始林を歩きなれている先生も初めて見るきのこを発見したりと、とても盛り上がりました。

きのこといえば、多くの人が食用かどうかが気になるところだと思いますが、色や形、におい、さわり心地の違いを楽しむことも魅力の一つだと思います。

特にひだの部分に傷をつけると色が変わったり、傘に傷をつけると乳白色の液体が出たりといった変化はまるでマジックを見ているでした。

さらに、傘やひだの付き方、柄の模様など細かなところをよく観察すると、そのバリエーションの豊かさに驚かされます。

 

今回の観察会では、約3時間で40種程度のきのこと出会うことができました。前回の「粘菌」観察会に続き、今回の「きのこ」を通じて、さらに小さな生き物たちに親しみを持つ観察会になりました。

 

自然界でのきのこは栄養の取り方によって、2つのグループにわかれるそうです。

1つは「腐生菌」と呼ばれるグループ。朽木、切り株、落ち葉などに付くきのこです。朽木などを分解して、土に還す役割があり、森の掃除屋とも呼ばれています。

もう1つは「共生菌」と呼ばれるグループ。生きた木々と共に生きているきのこです。土の中に菌糸を巡らせ、植物の根っこに共生します。共生する根から糖類などを受け取り、菌類が作ったミネラル分や水を植物へ届けるそうです。

 

-農林水産省 aff(あふ) バックナンバー 2021年 10月号 「不思議がいっぱい!きのこの生態と豆知識」より-

https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2110/spe1_01.html

 

春日山原始林の巨木と言われる樹高も樹幹も大きな木々も、こうしたきのこの役割で支えられている側面があるのだと再認識し、きのこへの興味がさらに深まりました。

 

先生のお話ですと、温暖化の影響か原始林内でも南方系のきのこが増えているそうです。観察会でも実際にいくつかの種類を観察することができました。僅かな環境の変化にも、きのこは敏感に対応しているんだなと驚きました。

 

今回の観察会で、きのこの魅力をさらに知ることができました。きのこを探しながら歩く日々が、これからも続きそうです。