春日山原始林を未来へつなぐ会

事務局日誌

第37回春日山原始林観察会
春日山原始林のきのこ、ときどき野鳥

クマゼミやアブラゼミの合唱から、ツクツクボウシに変わり、夜の虫も鳴き出しました。
第37回となる世界遺産春日山原始林観察会は、きのこをテーマに開催します。

講師は、奈良県理科の会、ベニタケ科研究会、日本野鳥の会奈良支部の山田るみさんをお迎えします。きのこ、ときどき野鳥の楽しい観察会となるかと思います。是非ご参加ください。

春日山原始林のきのこ、ときどき野鳥


【開催日時】 2022年9月11日(日)9:00〜12:00(予定)
【講  師】山田瑠美 氏
      奈良県理科の会、ベニタケ科研究会、
      日本野鳥の会奈良支部
【集  合】春日大社本殿バス停(国宝殿カフェ鹿音前)
【観察場所】春日山遊歩道北部
【参 加 費】500円(つなぐ会会員は無料)
【定  員】20名(先着順)
【持 ち 物】飲み物、タオル、筆記用具等
      ルーペ・双眼鏡(お持ちの方)
【服  装】動きやすい服装(長袖、長ズボン)、
      帽子着用、スニーカー
【申  込】以下よりお申し込みください。
※この観察会はならコープ環境団体活動助成を活用して実施します。


※携帯電話のアドレスで登録すると、メールが受け取れない場合がございます。携帯電話の設定で「kasugatsunagu@gmail.com」からのメールを受け取れるように設定してください。


春日山原始林アートプロジェクト2022 ワークショップ参加者募集中です!

今年のアートプロジェクトのワークショップの募集中です。


ワークショップでは、春日山原始林を訪れて現地で制作するプログラムや、春日杉を削って作るクラフトプログラム。3回のシリーズで森を感じて制作・展示まで行うプログラムの3つを開催します。以下、詳細です。

【共通】対象年齢:小学1年生から中学3年生まで 各ワークショップ定員:10名
    ※小学生は保護者がご同伴ください。中学生の単独参加は可能です。

1. 風でゆれる木のモビールをつくろう!

樹齢約600年の春日杉の香りを楽しめるお手製モビールでお部屋を素敵に彩りませんか?刃物は使わないので小さなお子様も安心して参加いただけます。※春日山原始林を2時間ほど歩き、休憩所でワークショップをします。

開催日 8月4日(木)10:00-15:00
講師:山下ゆりこ
参加費 1,000円(材料費・保険代込み | こども2人目から500円)
持ち物:レジャーシート、弁当、水筒
雨天順延:8月8日(月) 集合場所:飛鳥中学校前

2. 手ざわりが気持ちがいい、毎日使えるスプーンをつくろう!

樹齢約600年の春日杉を彫ったり磨いたりしてオリジナルのスプーンを作ります。夏休みの工作にもピッタリです。

開催日 8月20日(土)午前の部/10:00-12:00 午後の部/13:00-15:00
参加費 1,000円(材料費・保険代込み | こども2人目から500円)
講師:堂本寛恵
持ち物:軍手
集合場所:奈良公園バスターミナル1階(奈良市登大路町76)

→定員に達したため受付を終了しました!

3.奈良の杉で本棚をつくって、森や生き物の本をかざって読もう!

春日山原始林をより深く知っていただくために3回連続講座となります。四角いスクエア型のボックスを制作し、樹齢600年の春日杉の端材を磨いてボックスの周辺に飾り付けをします。完成した作品は11月の展覧会で本棚として展示します。

第1回10月8日(土)10:00-15:00 春日山原始林を歩く
第2回11月13日(日)10:00-12:00 棚づくり
第3回11月23日(水・祝)10:00-15:00 棚の組み立てと展示

講師:たかはしなつき、熊田悠夢
参加費2,000円(材料費・保険代込み | こども2人目から1000円)3回通しての参加費です
集合場所:1回目 飛鳥中学校前
     2,3回目奈良公園バスターミナル 1階(奈良市登大路町76)

お申し込み:https://forms.gle/aH5FBpBFsoZyrqqQA

主催:春日山原始林を未来へつなぐ会 後援:奈良市教育委員会 協力:奈良県


【レポート】7/3 第36回世界遺産春日山原始林観察会「春日山原始林の粘菌」

迫りつつある台風4号の影響で、不安定な天候のもと、第36回の観察会が開催されました。今回のテーマは「粘菌」。

これまでの観察会でアンケートをとった際に希望のあったこのテーマです。講師をお願いできる方はいないかと、メンバーで検討してダメもとでお願いしてみようと2021年に相談したのが、今回の講師の川上新一先生でした。

和歌山県立自然博物館で粘菌について研究されており、図鑑等でも粘菌の魅力を発信している先生に来てもらえることになり喜んだのですが、残念ながらコロナによる緊急事態宣言により、延期に。
2年越しでようやく開催となりました。

ただ、生憎の空模様。予報はほぼ1日雨。とはいえ、忙しい先生のスケジュールもあるので今回は中止できないと思い、雨天決行とさせていただきました。

冒頭にご用意いただいた資料をもとに、粘菌(変形菌)について簡単な解説をいただきました。粘菌には、①変形菌と②細胞性粘菌、③原生粘菌の3種があり、今回観察するのは①の変形菌で、②③については、顕微鏡等でないと観察が難しいそうです。

粘菌の特徴はなんといっても、そのライフサイクルです。胞子で飛ばされたあと、アメーバ状→変形体→菌核→子実体と、胞子で増えるもののキノコなどの菌類(真菌)とも異なり、しかも自ら移動することができるというところ。
(詳しくは以下をご覧ください。摩訶不思議な単細胞生物〈変形菌〉に興味が尽きない!<Webマガジン「BuNa」>

今回は、参加者の皆さんと一緒にガサゴソと枯れ葉や朽木を探し、「これかな?」というものを川上先生に見ていただくという形をとりました。

今回は、朽木の多い滝坂の道を目指して歩きます。途中、落ち葉の溜まった白乳神社周辺エリアで観察開始です。

ごろごろどかーんと雷が響く中、枯れ葉を真剣に探す参加者のみなさん。天気が悪くて、ハイカーが歩いていないのが幸いしました(笑)

落ち葉を探る参加者、何をやっている人たちだろうと怪しまれそうです。

冒頭に普段から粘菌観察されている方が易々と見つけたのですが、普段、昆虫や小さな花、苔などを見つけては観察する参加者の皆さんは「どこらへんにいるのかの想像がつかない」と悪戦苦闘。

それでもようやく見つけた「カンボクツノホコリ」「ナミウチツノホコリ」をそれぞれ回しながらルーペで観察します。

ルーペを使って観察。おぉ〜、きれ〜い。などの感嘆の声が漏れます

場所を移動して、滝坂の道の手前、通称滝坂の森周辺に、ここまでくると、皆さん落ちている朽木に何かないかと探し回ります。ここでは、下見で見つけてあった、「マメホコリ」を観察。そのほか、参加者の方が根気良く探してくださったり、それぞれが粘菌の目になって森を探し回ります。

先生、これはどうでしょう?と聞くと「おっ!これは…」と見ていただき、「やりましたね」と言われるととても嬉しいです。

その後、滝坂の道の春日山原始林エリアまで移動、ムクロジの小さな花が道いっぱいに広がっていました。カギカズラの花を観察したり、毛の生えたカタツムリを発見したり、粘菌以外にも小さなキノコ(菌類)やタゴガエル、例年より早くなき始めたヒメハルゼミの声、ムラサキシキブの花なども楽しみました。
小さなものを探すことで、普段見過ごしてしまうそのほかの森のいろいろな生き物たちに目を向ける機会ともなりました。

タゴガエル
ムラサキシキブの花
キノコの仲間

13時からスタートであっという間に3時間。降ると言われた雨もなんとかもってくれて、満足感のある観察会となりました。

■観察することができた粘菌(全9種)
・コシロジクキモジホコリ
・カンボクツノホコリ
・ナミウチツノホコリ
・ススホコリの一種
・マメホコリ
・ホソエノヌカホコリ
・ヒメカタホコリ
・ウツボホコリ
・アオモジホコリ
(下見では、ムラサキホコリも発見)


事務局スギヤマは、初めはなかなか見つけられませんでしたが、徐々に目の付け所を覚え、ホソエノヌカホコリ、ヒメカタホコリ、アオモジホコリの3種を発見。「粘菌の目」を手に入れました。

ホソエノヌカホコリ
ヒメカタホコリ
アオモジホコリ

粘菌の自然界における役割の仮説としてご紹介いただいたのが、バクテリアやカビ・キノコといった「分解者」を粘菌が食べることによって、分解を遅らせている。ということ。それにより、多くの生き物の棲家の提供や、落ち葉などの保水効果を発揮させ、土壌流出を抑えることで、生態系の維持につながっているのではないか。というものでした。
今回、川上先生も初めて春日山原始林の粘菌を観察されたこともあり、春日山原始林のどのような粘菌が存在しているかはまだまだ未知数です。ただ、こうした小さな存在も、春日山原始林を未来へ繋ぐための大切なのだと、改めて実感することができました。

今回は全て子実体の観察だったので、川上先生にお願いして、先生の著作を購入させていただいたので、これを見ながら、今度は変形体の状態を探してみたいと思いました。意外と身近に存在している変形菌、図鑑を片手に近くの公園をガサゴソするのも面白いと思います。

 

変形菌 発見と観察を楽しむ自然図鑑(山と渓谷社)