曇り空の中、当日入会いただいた方も含め、総勢21名の会員が参加。
今日の講師である松井先生が作成された「原始林でよく見る樹木」の一覧表を手に北部遊歩道をゆっくり歩きながら、さまざまな樹木や森の様子を観察しました。
弱った枝は実をたくさんつけた後で落とす、
葉が重なり日光が当たらない場所は自然と葉を落とすので
モザイクのような樹冠「クラウン・シャイネス」ができるなど、
実際にナギやクスノキ、ツブラジイなどを見ながら先生が解説される
植物の生態は理にかなうことばかり。
参加者からも次々に質問が上がります。
そしていよいよ今回のメインイベント、植生保護柵の観察タイム。
ニホンジカから植物を守るために林内に作られた柵の中を、
奈良県に特別に許可を得て見学しました。
シイ類やモミ、シロバイ、ムラサキシキブなど、柵の外にあれば
ニホンジカに簡単に食べられてしまうさまざまな幼木が育ち、
中には10年くらいにまで成長したものも。
小さな芽吹きもいっぱいで、先生がおっしゃる
「森が循環するには、常緑樹と落葉樹、両方が育つことが大切」というその通りの環境が生まれつつあります。
普段、当会が保全活動の一環として点検を行っている保護柵の中で、
小さな森が育っていることに感動するとともに、
この特別天然記念物の森を、今後、県はどのように守っていくのか。
今後の保全計画のビジョンが気になります。
「森は、その土地に住む人によって使い方が決められてきた」と先生。
生活に必要な薪炭の供給地として利用し維持したり、
鎮守の森として保護したり。
では、春日山原始林は?
この地に住む人、集う人に何ができるのかをみんなで考え、
関わっていくことの重要性を感じた一日でした。
2023年01月23日
第39回となる世界遺産春日山原始林観察会は、専門家・研究者の方を講師に迎えて原始林を学び、体験する観察会です。
今回は、「春日山原始林の森林生態系の循環」をテーマに、春日山原始林保全計画
現在、奈良県による原始林の保全事業の効果について実際の植生保護柵の見学など行いながら目指すべき原始林の姿について考えたいと思います。
※観察会の中で一部、植生保護柵近くでの見学を予定しています。
保護柵の見学は春日山原始林を未来へつなぐ会への入会が必要となります。
第39回世界遺産春日山原始林観察会 森林生態系の循環
講 師 松井淳 氏
春日山原始林保全計画検討委員委員長
奈良教育大学特任教授
開催日 2022年2月18日(土)※雨天の場合翌日に順延
時 間 9:30〜12:30頃
集 合 春日大社国宝殿前(カフェ鹿音周辺)
参加費 500円(つなぐ会会員は無料)
*植生保護柵の見学を希望の場合はつなぐ会への入会が必要
定 員 20名
申し込み:https://forms.gle/uQ6YmLE
四季の原始林を歩いて学ぶ主に会員向けのイベントです。
冬のさむーい原始林を歩きます。
防寒はしっかりして冬にしか見れない原始林を楽しみましょう!
※ガイドの研修も兼ねての実施となります。
※会員外の方は参加費をいただければ参加可能です。
開催日:1/29(日)10:00〜15:00
コース:滝坂の道〜南部遊歩道
会員:無料 非会員:500円
持ち物:飲み物、お弁当、筆記用具、防寒具(カイロ、手袋等々)
リュックサック
服装:暖かい服装でお越しください。
申し込み:https://forms.gle/rB1NCCW