春日山原始林を未来へつなぐ会

観察会

【レポート】春日山自然学校プロジェクト2021

気持ち良い天気となった4月24日。
奈良公園登大路園地でアースデイ奈良2021が開催されました。

つなぐ会では、ブースの出展に加えて、自然体験プログラム「春日山自然学校プロジェクト」を開催しました。
今回も高学年向けの原始林を歩くコースと、低学年・親子向けの奈良公園の自然を楽しむネイチャーゲームのプログラムの2コースで実施しました。

新型コロナウイルスの影響で、子供たちを自然に触れさせたいという思いからか、親子連れのお申し込みが多くなりました。

今回は、奈良教育大学ユネスコクラブの学生さんにボランティアで同行してもらいましたので
学生さん目線でのレポートをお送りします!

歩いて学ぶ春日山コース

4月24日,11時に奈良公園を出発し,3時間ほどかけて春日山遊歩道を歩き,奈良公園へ戻ってきました。当日は雲ひとつない快晴で汗ばむほどの陽気でしたが、原始林の中はいつものように暗く、ひんやりとしていました。

 少人数の3チームに分かれて春日山を歩きました。3チームは年齢層が異なっていたので、興味も異なっていました。

小学生の子どもたちは木や草、葉っぱに触れるのに興味津々で触り出すと動こうとしません。

一方で大人チームは植生や歴史に関心が高く、ガイドさんのお話に耳を傾けていらっしゃいました。

また、親子チームはガイドさんとたくさんお話しして、春日山原始林の自然に触れたり、耳で聞いたり、目で見たりして体感していらっしゃるようでした。

 どの参加者の方にとっても、それぞれの興味に応じて楽しく深い学びになったのではないかと思います。
(レポート:奈良教育大ユネスコクラブ 川田さん)

親子で楽しむネイチャーゲーム

 ネイチャーゲームでは、午前の部と午後の部の2回の実施となっていました。

 午前の部では、お気に入りの葉を探し、その匂いを嗅いでみたり、葉を観察したあと、自然の宝物探しを行きました。松ぼっくりや鹿の抜け毛、面白い形をした葉などを参加者は思い思いの宝物を見つけていました。その後、二つの組に分かれ、自然のものを使って顔を書いたり、葉を色々な角度で観察し、目や口を発見して、紙に書きました。

 午後の部ではネイチャービンゴと虫眼鏡を使った探検を行いました。いつも何気なく見ている自然について、様々な視点から観察することは、参加者のみなさんにとって珍しい体験であったようです。特に、虫眼鏡を使った探検では、アリの巣を発見し、アリの巣を思い思いに観察していました。アリの巣は、どのように広がっているのか、アリは何を運んでいるのだろうと子どもたち自身が疑問を見付け、問いかけたり、観察したりしていました。保護者の方々も、虫眼鏡を使って、普段は観察しない、木の表面を見たりして楽しんでいる様子でした。

 私にとって、ネイチャーゲームは初めての体験でした。私自身もふだん自然を深く観察したことが無いので、とても新鮮な体験となりました。参加者の皆さんが思い思いに自然と関わる姿を見て、自然の魅力に関心を持ちました。将来、教師になったときに子どもたちの興味関心を引く授業をするために、ネイチャーゲームの知識を蓄えたいと思いました。

(レポート:奈良教育大ユネスコクラブ 佐藤さん)

アンケート結果から

参加者アンケートから、以下のような声をいただきました。

■歩いて学ぶ春日山

  • 原生林の現在の状態がよくわかってこれから対策をみんなで考えなくてはならないと思いました。
  • 紹介されていた通り、原生林の素晴らしさと美しさに感動いたしました。同時にガイドさんから現場の厳しさを知りました。良い勉強ができました。ありがとうございました。
  • 春日山の自然の厳しい現状が少し理解できた
  • 楽しかった
  • たのしかった
  • 普段気が付かないことなどたくさん知ることができ、学びになりました知らない鳥や葉っぱの名前を知れてよかった
  • いろんな生き物のことを知れて、学校の理科の授業に役に立つと思った
  • 木の種類の変化、歴史など知ることができた。みて触って、感じて、匂って、味わう以外五感をフルに使って楽しかった。いろいろ教えていただきありがとうございました。
  • しぜんのこといろいろおしえてもらって、べんきょうになりました
  • 原生林のこと、木のこと、自然について、不思議やそうなんだ!と思うことがいっぱいあった。
  • 自然についていろいろ知れて楽しかった

■親子で楽しむネイチャーゲーム

  • ビンゴで木をみて歩くのも楽しかった。
  • クイズ、虫めがねを使ったアクティビティなど
  • 自然の中でのビンゴゲームが楽しかったです。
  • 普段ゆっくりと観察することのない自然を親子でみることができて楽しかったです。もっと時間が長くてもよかったぐらいです。
  • 子どもも楽しんでいました。新しい発見がありました
  • 奈良公園にも色々な生き物がいることがわかった

アースデイを開催した4月以降、新型コロナの影響でお出かけするのも憚られる状況になってしましましたが、身近な自然を楽しみながらストレスなく過ごす工夫ができればと思います。

つなぐ会の観察会は、現在予定している企画については、会員限定での開催とさせていただいております。6月以降に観察会の企画が控えておりますので、またブログでご紹介いたします。

このプログラムは、NPO法人奈良ストップ温暖化の会アースデイ奈良、との三者共催で実施しました。「親子で楽しむネイチャーゲーム」の運営は、奈良県シェアリングネイチャー協会にご協力いただきました。

また、運営費用は、近畿ろうきんの笑顔プラスの寄付金を活用させていただきました。


【参加者募集】自然を楽しもう!春日山自然学校プロジェクト2021

すっかり春の陽気となりました。

奈良公園は桜も七分咲き。春日山も木々の芽生えが美しい、生命力を感じる季節です。

昨年は、コロナの影響でオンライン開催となった「アースデイ奈良」今年は感染症対策に十分留意した上で開催を予定しています。

アースデイ奈良2021

つなぐ会のブースでは、子どもたちが楽しめる「ビュンビュンこま」のキットや、ムクロジのシャボン玉体験、春日杉の端材の展示や、寄付返礼品のご紹介などを予定しています。

合わせて、例年実施している「春日山自然学校プロジェクト」も実施します。昨年は、春の実施ができなかったので、秋に開催。
昨年の秋同様に、近畿ろうきん「笑顔プラス」の寄付金を奈良ストップ温暖化の会が受け、共催という形で開催となります。

■イベント詳細

自然を楽しもう!
春日山自然学校プロジェクト2021

人と自然の関わりの中で残されてきた春日山原始林や奈良公園の自然を、楽しみながら学ぶ場として活かすのが「春日山自然学校」。春日山の自然と歴史を学ぶ大人向け、奈良公園の自然で遊ぶ親子向けの2つのコースで開校します。

※グループに分け、密接・密集にならないよう実施します。

開催日 2021年4月24日(土)アースデイ奈良2021
集合 
奈良公園登大路園地(春日山原始林を未来へつなぐ会ブース)
時間 11:00〜15:00 頃(受付10:00〜)

❶ 歩いて学ぶ春日山コース

春の春日山原始林を歩き、その自然と歴史、そして課題について学ぼう!

●定 員:30名程度
●対 象:小学5年生以上 ※小学生以下は保護者同伴
●時 間:11:00〜14:00(昼食持参)
●ルート:アースデイ会場⇆春日山遊歩道北部
●ガイド:春日山原始林を未来へつなぐ会

❷ 奈良公園でネイチャーゲーム

奈良公園の自然を楽しみながら、自然と人のつながりについて学ぼう!

●定 員:各回 親子10組(20名程度)
●対 象:小学生以上の子どもとその保護者 ※未就学児は見学のみ
●午前・午後2回開催(いずれかお申し込み)
 11:00〜12:30 13:30〜15:00
●講 師:奈良県シェアリングネイチャー協会

■申し込み方法
下記フォームからお申し込みください。
https://forms.gle/rUsC8QAWNEswo2Hx7

チラシDL

 


【レポート】第32回春日山原始林観察会を開催しました!

春の訪れを感じる3月7日に、第32回となる世界遺産春日山原始林観察会「野鳥編」を開催しました。当日のスタッフから報告がありましたのでアップいたします。

当日は良い天気になりました。

予め原始林内には野鳥が少ないことを話したうえでスタートしましたが、本当に鳥にはなかなか会えませんでした。

シジュウカラ、ヤマガラ、エナガがいて、イカルは声が聞けました。外来種ソウシチョウの10羽ほどの群れにはちょっとびっくり。なかなか見られないキバシリを見つけた方がありました。そのほか、ヒヨドリ、コゲラ、シロハラ、アオジ、カラスの声など。若草山山頂にはホオジロがいました。

双眼鏡を持っていない方もあって、取り扱い方や買う時の注意点など話しました。ほかの生物でもそうですが、特に野鳥は季節による違いが大きいので、初夏の頃などにも観察会ができたら良いと思います。

(レポート:中西)

参加者の声(抜粋)
・楽しく歩けた。のんびり観察できた
・双眼鏡の使い方なども知らなかったので教えてもらえてよかった。
・鳥が少なかったのが残念ですが、説明はとても詳しくて楽しめました。
・イカルの声が聞けてよかった。
・ヤマガラを初めて見れました。
・イヌガシ、シキミの花をしっかり見られてよかった。
・キバシリが見れた。

写真は後日、事務局が撮影したソウシチョウ。美しい姿をしていますが、特定外来生物にしていされており、ウグイスやオオルリの営巣場所と競合すると言われています。標高の高い(だいたい1000m程度)のササの発達した落葉広葉樹林で繁殖し、越冬期には低標高に移動する漂鳥だそうで、この時期は群れで行動するようです。