梅雨ですが、暑い日々が続きますね!
少し先の予定になりますが、次回の観察会の情報をお送りします。
今年で3年目となります。夜の森の観察会です。
こちらは、「奈良さとやまSUMMERキャンペーン2025 夏休みの宿題大作戦」に参加しています。
実はすでにこちらの方からお申し込みが入っていまして(汗)
定員が間近の状況となっております。お申し込みはお早めに。
第50回 世界遺産春日山原始林観察会
春日山の昆虫と夜の森
講 師 小長谷 達郎 氏(奈良教育大学准教授)
夜の森ってどんな雰囲気だろう。夕暮れ時から春日山原始林に入り夜の時間を過ごします。
昆虫等を集める「ライトトラップ」を行います。昆虫の専門家の先生と一緒に観察をしましょう。
※観察のみです。春日山原始林での昆虫の採集は禁止されています。
開催日 8月1日(金)18:00〜20:30(予定)
時 間 18:00〜20:30頃
集合解散 水谷茶屋横
https://goo.gl/maps/BC7rVzp1LGTSt4EUA
参加対象 小学生以上(小学生以下は保護者同伴)
定 員 30人(定員になり次第締め切り)
参加費 お一人 500円(当会会員は無料)
持ち物 懐中電灯、筆記用具、飲み物、軽食、
UVカットのメガネ・サングラス(あれば)
申込み 定員に達したため受付を終了しました。
降水確率50%と催行規定ギリギリの曇天の朝、総勢20名による観察会がスタートしました。「春日山原始林ジュニア博士」も2名が参加、今年度最初の活動となります。
本日の講師は「糞虫王子」こと、ならまち糞虫館館長の中村圭一さん。糞虫が多く見つかる場所がいいですねということで、今回は春日山原始林を飛び出し、シカの糞が豊富な飛火野が舞台です。
最初に、中村さんから「最初は明るい芝の草地、次に暗い林の中、さらに落ち葉が積もった湿度の高い場所、と違った環境で糞虫を探し、それぞれで見られる種類を観察しましょう」と説明を受けます。
「糞虫はシカの糞に含まれる繊維は食べ残すので、そのパフパフした繊維の近くにある穴の空いた糞の中に潜んでいることが多い」と糞虫探しのコツも教わります。糞虫が入った糞には必ず穴があり、小さい虫なら穴も小さく、体が大きければ穴も大きいそう。さっそくピンセット片手にしゃがみ込み、目星をつけた思い思いの糞をホジホジし始めると、すぐに小さな糞虫がゾロゾロ見つかりました。中村さんから借りたファイルでウスイロマグソコガネであることをみんなで確認します。
さらに、奥のうす暗い林へ移動。光が少なく、糞をほじっても中に虫がいるのかどうかも見えにくいほどです。中村さん持参のペンライトでジュニア博士が手元を照らす中、大きめの穴の開いたやわらかな糞を小さなスコップでかき分けていく中村さん。すると、大豆サイズの黒くて大きな糞虫が何匹も現れました。カドマルコエンマコガネです。前胸の角がとんがっているのが特徴だそうで、まるでとがった肩パッドが入っているように見えます。糞の下にまで穴を掘って深く潜り、その穴に糞を持ち込んで卵を産みつける特性をもっているそうです。
続いて、鹿苑の奥の落ち葉が溜まった湿った場所に移って観察を開始。足元ではヤマビルも待ち構えているので要注意です。あちこちに目を凝らすうちに、参加者の方が瑠璃色に輝くオオセンチコガネ、通称ルリセンチコガネがたくさんかたまっているスポットを発見し、大盛り上がり!頭の先まで同じ色で光っているものがオスだと教わりました。
他にもゴホンダイコクコガネ、マエカドエンマコガネ、ナガスネエンマコガネなど多くの糞虫が見つかり、心配した雨に降られることもなく無事観察会は終了。参加されたみなさんの満ち足りた顔が印象的でした。
薄曇りの5/24(日)早朝7時。春日山原始林の南部遊歩道から第48回となる観察会「春日山の野鳥観察から森を考える」を開催しました。
講師は、「野鳥といえば…」の枕詞がつく、楺井さん。雨の降る森で聞こえる野鳥もいるとのことで、期待してスタートしました。
森を歩くと「ピッピリリピッピリリ」と響くキビタキの声が。春日山原始林だけでなく、全国的に生息域が増えていると言われているそうです。他にもヤマガラやコゲラなどのお馴染みの声のほか、「ピールーリー ポピーリ ピピ ギッギッ」と高い澄んだ声のオオルリや「ヒリリリリリ」となくサンショウクイも聴くことができました。
残念ながら途中から雨が降り出すと、鳥の声はパタリとやんでしまいましたが、幻想的な春日山の雨の中を歩き、ギンリョウソウやシライトソウなどの植物観察も行いました。
首切り地蔵まで予定より早く到着したので、少し雨もおさまってきたため地獄谷新池をぐるり。池にはカイツブリが泳いでいたり、ヒガラやイカルの声も聞こえてきました。周辺は約10年ほど前のナラ枯れ被害でコナラ類がかなり伐採されましたが、林野庁(このエリアは春日山原始林ではなく、地獄谷国有林)による植生保護柵が設置されており、カラスザンショウをはじめとするパイオニア種の回復が顕著に見られました。
枯木には可愛いキノコ(写真参照)も出ていて、野鳥だけでなくキノコや植物なども楽しみました。
最終的に確認できたのはコゲラ、アオゲラ、サンショウクイ、カケス、ハシブトガラス、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、キビタキ、オオルリ、イカル、ホトトギス、カイツブリの17種でした。