春日山原始林を未来へつなぐ会

観察会

レポート:第14回世界遺産春日山原始林観察会「悠久の森とシカの関係」

2017年09月15日

2017年9月9日(土)に第14回となる市民観察会を実施しました。
今回のテーマは「悠久の森とシカの関係」と題し、長年、春日山原始林を研究されている
前迫ゆり先生(大阪産業大学教授)による観察会でした。

前半は、現地観察会です。
春日大社国宝殿に集合して、春日山遊歩道北部へ。所々で原始林の現状や研究サイトなどを見ながら 若草山山頂までのぼりました。先生の足取りは非常にパワフルで、皆さんついて行くのがやっと。。ということもありましたが、充実した内容となりました。

午後は、春日野国際フォーラム別館にて、講義です。
春日山の現状について、今みてきたことについて、データなど交えながら詳しいお話を伺うことができました。

20年の調査研究に導かれて照葉樹の森の過去・現在・未来を見て、 聴いて感じ、説得力のある内容でした。

現在の春日山原始林では倒木後に生まれた日当たりの良い箇所(ギャップ)が生まれても植生保護柵を設置しないとシカの食圧によって更新が進まない、また、ナンキンハゼなど明るい場所を好む樹(パイオニア植物)の問題を抱えています。

今求められているのは、早急なシカの科学的な調査研究と森とシカ関係者交えたのビジョンを持った話し合いが切望されているとのことでした。

春日山原始林を未来へつなぐために、私たちからできるアクションについて考える観察会となりました。

【参加者の感想(抜粋)】

初参加でした。いつも何気なく歩いたりしていましたが、植物に少し興味深くなり、奈良公園、春日山原始林の事、知りたくなりました。

照葉樹林の大切さがわかり、良かった。ナンキンハゼが多いのに驚いた。

次の世代にまで照葉樹林として維持していく努力が必要な時が来ていると思いました。今、春日山原始林でどんなことが起こっているか、前迫先生との観察で良く分かりました。ありがとうございました。

春日山原始林のかかえる問題を具体的に森を見て実感します。 若草山からの原始林の山なみは素晴らしい景色で、中味も豊かであれと思うばかりです。

先生がパワフルで、説明がとても興味深く、楽しい観察会でした。

シカのエリア毎の生息調査が必要なことがよくわかった。


第11回世界遺産春日山原始林観察会「ナラ枯れに直面する原始林」

一時暖かくなったかと思ったら、また寒い日が続いていますね。
1月末に観察会を行いましたが、2月も実施します!

今回は、昨年奈良県内で大量発生した「ナラ枯れ」をテーマに開催します。
春日山原始林では、以前よりナラ枯れ被害が問題となり、一昨年よりつなぐ会としてもトラップの設置などを行い、ナラ枯れ対策をしていますが、原始林以外でも奈良県の北部から中部にかけてナラ枯れ被害が甚大となってきています。

今回は、午前中に春日山を歩き、午後からは短い講義という形の観察会です。講師には、奈良県森林技術センターでナラ枯れについて研究されている田中正臣氏をお迎えし、春日山のみならず、奈良県全体で発生しているナラ枯れの最新情報とその対策について伺います。

少しマニアック?な内容ですがご興味のある方ぜひご参加ください!

第11回 世界遺産春日山原始林観察会
ナラ枯れに直面する原始林

私たちを見守る青垣の山々の木が枯れていることに気付きましたか?
これは、「ナラ枯れ」という現象でナラやシイ・カシ類の木が、カシノナガキクイムシにより被害を受けたものです。
ナラ枯れにより近畿の山々は深刻な被害を受け、希少な森である春日山原始林もその例外ではありません。
 今回の観察会で、森で起きている異変と保全の様子、講演会で最新のナラ枯れ情報を得て、私たちは、この状況にどう向き合えば良いのか・・
一緒に考えてみませんか。

【開催日】 2017年2月26日(日) 小雨決行
【講 師】 田中 正臣 奈良県森林技術センター 森林資源課 総括研究員
【案内人】 杉山 拓次  春日山原始林を未来へつなぐ会事務局長
【集  合】 10:00 春日大社本殿バス停前 (春日大社宝物殿 横)
【日  程】 春日山原始林 北部遊歩道~『甍』にて 昼食後講演 14:30頃解散予定
【持ち物】 昼食、飲み物、雨具、筆記用具、ハイキングの出来る服装で、
【参加費】 500円(保険料・資料代込)
【定  員】 先着30名

【問い合わせ・申し込み先】
FAXかメールで ①お名前 ②住所 ③電話番号・FAX・Eメールの
いずれかを記載の上、お申し込み下さい
FAX 0742-49-6730
E-mail :kasugatsunagu@gmail.com

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11/7 神山をきく 世界遺産春日山原始林さんぽ 香編を実施しました。

2015年11月28日

11/7に奈良市観光協会とのコラボ企画 『神山をきく 世界遺産 春日山原始林さんぽ 香編』を実施しました。
参加者は6名。奈良県近郊からだけでなく、関東からもご参加いただきました。

この『神山をきく』というタイトルには神の山である春日山で香や音を『きく≒感じる』をテーマに実施するツアーです。

香で自分の状態について気がついたり、森の中で自分の香を探したり。
原始林の紅葉を楽しみながら、自分の感覚をひらいて、森を感じていただきました。
同時に、原始林で今起きている問題についてもお伝えして、原始林について知っていただく機会としました。

滝坂のみち沿いにある朝日観音

昼食は、地獄谷園地の池の畔で

お昼ご飯は『ミアズブレッド』のランチボックス。皆さんに喜んでもらえました!

森の中で自分の香り探し。葉っぱや実、苔なども拾ってきてくれました(ナンキンハゼのはっぱは飾りです)

感じた香りをみなさんでシェアしました。

遊歩道沿いのイロハモミジがちょうど見頃でした!

11/20-21は、宿泊型の『五感で感じる 春日山原始林 南都八景ツアー』
11/28 は『神山をきく 世界遺産春日山原始林さんぽ 音編』
11/29 は『第4回春日山原始林観察会』
と11月後編は休みなしのツアー三昧。
フェイスブックやこのブログでまたご報告させていただきます。

(文責 杉山)